ハンディ機用に1200MHz同軸コリニアホイップを作ってみた【結論編】
430MHz用に加えて1200MHz用の同軸コリニア製作治具をつったので、それを使ってハンディ機直結の同軸コリニアホイップを作るプロジェクトです。
頒布中の同軸コリニア製作治具はこちら
これまでの記事はこちら
我が家の近くで一番標高が高い稲城市のみはらし緑地公園で、色々とテストしてみました。その結果、個人的にいいなと思ったのはこちら!
同軸コリニアホイップ”3段”です。
青いラインを入れて、デザイン的にもガタガタした同軸コリニア特有のズレを目立たなくしてみました。いい感じです!
性能
同軸コリニアホイップの2段、3段、4段を作り、ツインデルタループと比較してきましが、わかったのは受信性能はどれもほとんど変わりません。でも送信性能、相手に届く信号強度に違いがでて、2段はあまりよくないです。3段、4段はツインデルタループに”近い”くらいの性能が出ることがわかりました。
実際の交信でいただいたレポートです。左からツインデルタループ、3段同軸コリニア、4段同軸コリニアです。
JE1*** 横浜市青葉区 41~51,41~51,41
JK1*** 調布市 59+20dB,59+10dB,59+10dB
JP1*** 日野市 56~58,54,56
JR1*** 嵐山町 53,53,53
3段から4段になると、手持ちのハンディ機用として利用すると、ちょっと指向性で信号がふらつく印象があり、3段の方が使いやすい印象です。なにより4段は長すぎて、、、、性能とリーズナブルなサイズとして3段がベストと判断しました。
作り方のコツ
基本的な作り方は同軸コリニア研究会さんのマニュアルを参考にしています。
https://collinear-antenna.weebly.com/35069203161251012491125171245012523.html
変更点や作り方のコツはこちら。
1)エレメント部&位相整合部 RG58A/U (3D用の治具が使えます)を使いました。
→3Dでもいいのですが、細目で黒い同軸がカッコイイかなと。。。
エレメント 76㎜、位相整合部 36㎜でアンテナ部を作成しました。
長さは完全に追い込めていませんのであくまで参考にしてください。最初は上記マニュアルにある78㎜、39㎜で作成してみることをお勧めします。上部の位相整合部の長さ調整で対応できる場合が多いです。
2)位相整合部とコネクタの間に、10㎝ほどの5D-FBを入れて接続。
→無線機を口元に置いたときに頭の上にアンテナが出るようにする方が性能が発揮できたため。強度と減衰を少なくしたくて、ここは5D-FBに
3)1.5D-QEVでスタブを接続。2㎝くらいの長さからスタートして、NanoVNAでSWRが1.0台を目指して追い込む
→この時、おそらく共振周波数は1340MHzなど、かなり高いところにあると思いますが、共振周波数はずれているままでOK。先にSWRを下げてしまう。
4)接続部分をグルーガンで固定。(写真は3D-2Vです。)接続部の曲がりやスタブが熱収縮チューブをかぶせた時に目立たなくなるように多めに塗り付けるのも美しく作るコツ。ただし一番上の位相整合部は最後の共振周波数調整で取り換えることになるので、固定しない。
5)8㎜~10㎜の熱収縮チューブをグルーでアンテナにかぶせてカバーをする。かぶせる範囲は
①位相整合部~エレメント3段目と2段目の接続部の上
②、①と同じ範囲
③コネクタ上~エレメント1段と2段の上
というように、下側の弱いところほど多熱収縮チューブを複数重ねることで、アンテナの強度を高める。このときグルーの接続部は熱を多めにかけて、形をきれいに整えるのがきれいに作るコツ。
6)グルーで固めたり、熱収縮チューブをかぶせるとSWRが下がるので、改めてSWRを測定。狙った周波数+10~15MHzくらいになるように、まだグルーで固めていない一番上の位相整合部を長さを変更する。この時へたに、ついている同軸の長さを調整するよりも、新しく作って取り替えた楽だし、効率がいい。だいたい35㎜~42㎜くらいの間で調整できる。
7)最後に上の位相整合部をグルーでかためて、その周りを熱収縮チューブをかぶせる。SWRを測ると10~15Mhzくらい下がって、狙った周波数になれば成功。もしならなければ、グルーを頑張って取り外し、改めて上の位相給電部を交換して調整する。
8)狙った周波数になったら、上部の位相給電部の接続部を熱収縮チューブをかぶせて、トップを防水加工して完成。
この同軸コリニアホイップ、こんな風に丸めることもできるので、結構便利でそれなりの性能が出るのでお気に入りです。
とりあえず満足できるものになりました!
ちなみにヤフオクでは通常頒布していませんが、この同軸コリニアホイップを作るのにつかった76㎜、36㎜含め、ご希望の長さの治具はリクエストがあれば製作して提供いたします。jj1ruxアットマークjarl.comまでご連絡ください。